みなさん、こんにちは!
「ガーナ」と聞くと、誰もがチョコレート!と言いますよね。(笑)
実は、チョコレート以外にも忘れてはいけない皆さんの知っている重要人物がいます。
それは、日本とガーナの友好関係の先駆けとなった野口英世博士です。
え、野口英世ってガーナと関係があるの??
ガーナと野口英世の関係について知りたい!
そんなあなたへ、今回はガーナにある野口英世ゆかりの地を巡りながら野口英世の軌跡を追ってみましょう!
野口英世
野口英世(1876~1928)
細菌学者
1876年(明治9年)福島県猪苗代町に生まれます。
1歳のころ、いろりに落ちて左手に大やけどを負ってしまいます。
その時の大火傷の手術や治療をきっかけに医学のすばらしさを実感し、医学の道を志しました。
22歳のころ、破傷風の病原菌を特定し、血清療法を開発したことで知られる北里柴三郎のもと、伝染病研究所(現在の東京大学医学科研究所)で感染症の研究にかかわることになります。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、結核をはじめ、コレラ、狂犬病、ジフテリア、チフスなど伝染力が高く、感染すると生命にかかわる原因不明の感染症が問題となっていました。
そのため、伝染病研究は重要なものとされ、世界各国に伝染病に関する研究所が設立されました。
1899年アメリカの病理研究の第一人者ともいえるサイモン・フレクスナーが来日した際、野口英世は案内人を務めました。
それがきっかけで翌年にはアメリカに渡り、ロックフェラー医学研究所を拠点に世界で活躍します。
彼はノーベル賞の候補に3度名をあげました。
1928年(昭和3年)黄熱病の研究中に自身も感染し、ガーナの首都アクラで亡くなります。
これらの業績を讃え、2004年から野口英世博士の肖像が千円札となっています。
野口英世の生涯についてより詳しく知りたい方はこちら
野口英世の研究室

野口英世研究室外観
野口英世はガーナのコレブ病院で研究に励んでいました。
コレブ病院の一角にはガーナ大学医学部が隣接されています。
野口英世の研究室は医学部学生の研究室としても利用されています。
2006年には小泉元総理大臣がこの地を視察に訪問されました。

ガーナのコレブ病院内にある野口英世の研究室
コレブ病院は敷地が広いです。
そのため、野口英世の研究室を訪問する際は、病院の関係者や警備員に場所を確認することをお勧めします。
研究室の見学には5セディでチケットの購入が必要です。
私が訪問した際は現地の案内人がいろいろと説明してくれました。

野口英世の痕跡
研究室には野口英世の業績を伝える数々のパネルが展示されています。
上の写真は野口英世が研究のために訪れた世界の国々です。
インフラ設備も今より発達していない時代に、これだけ世界を駆け巡っていたなんて、本当にすごい行動力と忍耐力をもった方だったのでしょうね。

野口英世の千円札
野口英世の写真と使用していた顕微鏡でしょうか。千円札も置いてありますね。

野口英世の妻マリー
野口英世の妻はアメリカ人でマリーという方でした。
研究室には妻から送られてきた手紙も展示されています。
手紙には、"Please come back soon"という文字が幾度となく使われていました。
英世の無事を祈り、帰国を心待ちにしていたことがひしひしと伝わってくる内容でした。

野口英世関連の展示品
他にも、家族の写真や英世にまつわる展示品がいろいろとあります。
野口英世が亡くなる前の体温記録の展示もあり、それをみると亡くなる直前に急激に熱があがっていることが分かります。

ニューヨークタイムズの野口英世
野口英世が亡くなるとニューヨークタイムズにも彼の悲報が大きく取り上げられました。
人々を救うために世界中を駆け巡って研究に没頭し、殉死した野口英世は日本の誇れるすばらしい人物です。
さすが、お札にまでなってしまうだけあります。
野口メモリアルガーデン

野口メモリアルガーデン
こちらはコレブ病院にある野口英世の研究室のすぐ向かいにある日本庭園です。
日本庭園と野口英世の半身像は日本政府によってつくられ、1962年6月にガーナに捧げられました。
1992年6月には日本大使館をはじめとする日本人コミュニティーのもと研究所と庭園の改修工事を行いました。
実は、野口英世はガーナ国内ではそれほど知名度がないのですが、日本から遠く離れた国にこうして日本との繋がりがあるというのはうれしいものです。

野口英世像
こちらが日本庭園の野口英世像です。ガーナを訪れた際は一度は足を運んでみることをおすすめします。ちなみに、右にいるのは日本とガーナの血を引く少女です。
野口記念医学研究所

野口記念医学研究所
日本政府開発援助(ODA)によって設置されたガーナ大学レゴン・キャンパスにある野口医療研究所です。
2008年の第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)が開催された際には「野口英世アフリカ賞」の第1回授与式が行われました。
※「野口英世アフリカ賞」とはアフリカの感染症を含む疾病対策に貢献した人に授与される賞状。
現在も、西アフリカの伝染病研究中心地として機能しています。
2020年3月10日にはガーナの大統領ナナ・アクフォ=アド氏もコロナウイルスの研究とそこで従事する研究者を訪ねています。
最後に

研究室を眺める野口英世像
今回はガーナの野口英世にまつわる場所を2か所紹介しました。
観光として訪れるならばコレブ病院にある野口英世の研究室と日本庭園がおすすめです。
現在もガーナの学生や研究者が日本の大学や研究所に滞在をして医学の分野で活動を行っています。
今後さらなる日本とガーナの医学交流が進み、末永く日本とガーナの関係が友好であることを願っています。
野口英世博士もそう思いながら自身の研究室を見守っていることと思います。
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